食事を作ろうと思って食材を眺めていたら、ふと『カチャトーラ』という言葉が浮かんだ。
カチャトーラ、鶏の煮込み料理ですね。
………はて、どうやって作ったもんだっけ?とネットで検索したら落合務さんのレシピが載っていたので迷わずそれでいくことにした。
使う調味料はなんと3種類(塩/胡椒/酢)のみです。
トマトは必須だと思っていたのですが、どうやらそうでもないらしい。
パプリカの在庫が過多気味なので玉ネギとパプリカ、シメジで作りました。
出来上がり。
残り物のパエリアと盛り合わせにしました。
旨し。
そういえばずっと前に買ったままの落合さんの本があったゾ、と思い出して読み始めたらこれが面白い。
文章に気取りがなく、嫌みが無い。
メディアでお見かけするそのままの印象。
レシピやイタリア食材・食材のこと、修行時代のことやご自分の店に対することがサバサバとリズム良く書かれていて読みやすい。
(後で気が付いたけれど、AtoZ形式で書かれているよう)
Cの項には具体的なレシピはないものの、カチャトーラも載っていた。
落合氏曰くカチャトーラとは、
“ありあわせの肉とワイン、その辺りに生えているローズマリーでできてしまう手軽な料理で、日本でいえば肉じゃがみたいなもん”
だそうですw
本文全ての左ページ端に一言が書いてあって、このページには↓
とありました。「猟師風」なのでジビエが発祥なのでしょうね。
若い頃の落合氏はフランス料理人を志そうと思って1カ月のフランス料理食べ歩き旅行を決行したそう。
感動の嵐のなか意気揚々と帰国しようとしていた直前、チケットの関係で一週間の足止めを食い、ブランクの寄り道の1つがイタリア・ローマだった。
街の第一印象は「最悪」で、出てくる料理には「美的センスのカケラもない」と心の中で毒づいていたそう。
(抜粋)
“ぼやきながらも、ふと気づいた。不思議と一度もまずいと感じていない自分に。(中略)
イタリアのメシは毎日食っても飽きないのだ。食事って本来そういうもんなんじゃないか、と僕はそのとき気がついた。”
最後の4日間で、氏の運命は劇的に変わった。
“人間は生きている限り、食べなきゃいけない。なら毎日食っても飽きなくて、美味しい料理を食べるのが人間の幸せだ。せっかく作るなら、幸せになれる料理を作ってお客さまに食べさせてあげるのが本望というものだろう。”
初版は20年前ですが、氏が今も第一線で大活躍されている理由が分かる気がしました。